どうしたら「学び合い」の授業ができるのか?
先日、岐阜県各務原市内のある中学校で、教師の皆様のためのファシリテーション研修を行いました。
この学校は、以前の投稿でご紹介した学校で、その際依頼いただいた件が実施の運びとなりました。
ご相談内容は、一言で言うと、「学び合い」の授業がどうしたらできるか?
先生方は近年進められている「アクティブラーニング」に取り組み、生徒の主体的な学びを引き出すこと、学びを深めること、生徒同士のディスカッションを活発化してお互いから「学び合う」ことを試みています。
しかし、意見があまり出なかったり、続かなかったり、リーダー的な生徒ばかりが話してしまう、といったお悩みを抱えていました。
「教育ファシリテーション」ミニ研修の内容
今日は、急遽決まったということもあって1時間しか時間が取れなかったので、私がファシリテーションの基本と「教育現場でのファシリテーション」のスキルについてお話しし、先生方の質問をお受けするという形になりました。
お伝えした内容は、以下の通りです。
他の先生方への参考になればと思いますので、レジュメの画像をアップします。
もっと「関係づくり」を
先生方の関心は特に「どんな質問をしたらいいか?」というところにありました。
そこにはもちろん詳しくお答えして、様々な種類の質問と、質問の使い分け方をお教えしました。
また、お話を伺っていると、質問スキルの問題だけではなく、そもそも「学び合う」ための生徒同士の「関係づくり」=チームビルディングが不足していることが見えてきました。安心して自分を見せられる関係ができてないければ、活発な意見交換は生まれにくいでしょう。
そこで、アイスブレイクを使ってお互いを知ることや、合間に「ふりかえり」を入れてディスカッション中の自分がどんな気持ちだったかを話すこと、そして、グループの進行役を一人に固定せずに交代することや、グループの編成を目的によって変えること等の工夫をお教えしました。
先生方は活発に質問や感想を話してくださり、短い時間でしたが充実した研修となりました。
参加者の声
終了後のアンケートでは、「できていた部分が確認できたとともに、できていなかった部分がわかった」というお声をたくさんいただきました。
ファシリテーターとして無意識にできていた部分、できていなかった部分が見えてきた。具体的な技術を体系的に学ぶことができたので、まず使ってみながら学び合いをよりよくしていきたい。
役割分担やねらいなどを教師が手本を見せながら、生徒が主体的にやることが大切であると改めて理解できました。
ファシリテーション技術について詳しく知ることができました。また、生徒に身につけさせるための方法も知ることができ、勉強になりました。
学び合いの集団性を育てるために、私が何をするとよいのか、子供をどう鍛えるとよいのかということを悩んでいました。しかし、今日の研修を通して教科でやってみたいことができました。子供が安心して考えを伝え合える環境を作るということを目標に実践を重ねたいです。
チームビルディング+励ましが大切。
ねらいを絞るということについて、あとからよく考えてみると、複数あるなと考えられることもあった。もっと絞って指導できるようにしたいと思いました。
ファシリテーションのガイドライン作成へ:新年度から連続研修スタート
ご好評いただいた結果、新年度から、毎月研修をさせていただくことになりました。
先生方にファシリテーションを体験していただきながら、自分達自身で「学校としてのファシリテーションのガイドライン」をつくることを目標にするというプログラムをご提案しました。
単にスキルを学ぶだけではなく、自分達自身の成功体験を共有しながら共通の指針をつくることで、それこそ学びが主体的になり、学校全体に浸透・定着すると思います。
どんな研修になっていくのか、今から楽しみです。