日々いろんな仕事をご依頼いただき、どれもありがたいのですが、今回は、特に、人と人の心をつなげることができて嬉しく、ファシリテーター冥利に尽きるお話でした。
先日、岐阜県内のあるNPO法人様から、大事な話し合いの場のファシリテーションをしてほしいとの依頼をいただきました。
そのNPOは、様々な困難や生きづらさを抱える子どもと親を支援している団体で、そうした人たちのための「居場所」を運営しています。
最近、そこで、利用者とスタッフの間にトラブルが起き、信頼と安全を回復するために話し合いが必要だと団体の代表が考え、私に対話の場のファシリテーションを依頼して下さりました。
代表含め12人の方が集まりましたが、その中に、当初は参加予定ではなかったトラブルの当事者Aさんの姿も。他のメンバーはどう思っているのか?Aさん自身の胸中は?最初は誰もが緊張している様子でした。
進行の詳細は控えますが、ファシリテーターを務めた私は、Aさんと他の参加者をつなぐことを心がけ、Aさんからトラブルが起きた時の事実と気持ちを尋ね、その後、他の参加者に「質問か感想は?」と尋ねました。
そして、参加者の発言にどう思ったか?とAさんに返す。
その「橋渡し」を重ねました。
事実とお互いの気持ちがわかり、緊張していた雰囲気が次第に和らぐにつれ、
みんながAさんに思いやりの言葉をかけていきました。
「来てくれて、ほっとした。」
「今日は来にくいだろうに、よく逃げずに来てくれた。」
「心配していたよ。」
「来てくれて嬉しい。また来てね」
「無理に何か言わなくてもいいんだよ。みんなを信頼して」
Aさんは涙をこぼしながら、「晒し者になるかと思ってたけど、来てよかった」と、みんなへの感謝の気持ちを伝えました。(私も思わず涙ぐんでしまうほど、感動的な場面でした)
こうして信頼関係を結び直したところで、後半は「これから」についての対話。
「安心安全な居場所をつくるにはどうしたらいいか?」について議論し、たくさんの前向きな意見を出してもらえました。
参加者の皆様からはこんな感想をいただきました。
「どんな話し合いになるのか緊張していたけど、みんなの思っていることが聞けてよかった」
「自分がどうしていけばいいかわかった。」
「心が軽くなった感じがして、参加してよかった」
また、代表からは、アンケートで、以下のような感想をいただきました。
アンケートにもあるように、私も、参加者のみなさんの思いやりの言葉に触れ、優しい人たちばかりの素敵な場だなぁと思いました。その本心が自然と表現され、交わされるためのお手伝いをしたにすぎませんが、それができて、本当に嬉しかったです。
人間関係やコミュニケーションの問題に悩む団体、組織は少なくないと思います。
安心して話せる前向きな対話の場をつくりたい皆様、どうぞご相談ください。