会議で意見が出ない理由
「なかなかみんなが意見を出してくれない…」
と、お悩みではありませんか?
会議の進行を担当する方なら、多いかと思います。
どうして意見が出ないのでしょうか?
その理由は大きく3つあります。
⒈ 何を聞かれているかわからない。
⒉ 聞かれていることはわかるが、意見が浮かばない。
⒊ 意見はあるが、言いにくい。
⒈、⒉、ということもあるでしょうが、
一般には⒊が多いでしょう。
「私は下の立場だから言いづらい…」
「考えがまとまってないから出せない…」
「的外れだったらイヤだな…」
「批判・否定されるのではないかな…」
そんな気持ちの人が多く、みんなが下を向いているような「話しにくい雰囲気」が出来上がっていることがありがちです。
会議を上手く進めるコツは色々ありますが、なんと言っても大事なのが「心理的安全性」を高めること。話しやすい雰囲気をつくることです。
「心理的安全性」とは
「心理的安全性」とは、「チームの一人一人が不安なく自分を表現できる雰囲気」のこと。いわゆる「話しやすさ」、「風通しのいい雰囲気」のことです。
話を聴いてもらえる。相談しやすい。問題点も指摘しやすい。等、とにかく、「安心して何でも言える」雰囲気のことです。
大事なポイントは、「何でも言える」ことです。日本では、当たり障りのない会話や同調で「仲良し」のような関係でいることを「人間関係が良い」とか「安心できる」と捉える向きがありますが、本当の意味での「心理的安全性」は「何を言っても大丈夫」「リスクを冒しても大丈夫」という信頼感があることです。そういう意味では、「相互信頼感」と言い換えた方が真意が伝わるかもしれません。
とにかく、この心理的安全性が会議、ひいては組織運営には非常に大切になります。
心理的安全性の重要性はGoogle社の4年に及ぶ調査研究「プロジェクトアリストテレス」によって明らかにされました。同社の世界中のオフィスで生産性の高いチームの秘密を調べたところ、第一位の要因が「心理的安全性」だったのです。
ですので、同社は、会議においても、CEOと新入社員が直接対等に話せるようにするなど、心理的安全性を大事にした経営をしています。
心理的安全性向上のコツ〜進行役の表情から
さて、では、会議において、心理的安全性を高めるにはどうすればいいのでしょう?
工夫は色々ありますが、まず大事なのは、進行役自身の態度=非言語表現です。いわゆる「雰囲気」ですが、これは、当人が思っている以上に影響力があります。その代表が「表情」ですね。
ファシリテーションの基本は「当事者中心」。つまり、「相手目線になる」ことです。
参加者の立場になってみたら、進行役がどんな表情だったら話しやすいでしょうか?
緊張感漂う固い表情、怖い表情の人に「意見を出して下さい」と言われても、出しやすいでしょうか?
とにかく意見を出させたいと思っている人ほど、知らず知らず表情が緊張で固くなっているかもしれません(声も)。そうでなくても、誰しも普通にしているレベルでは「無表情」に見えることが多いです。
悪気はなくても、普通レベルの無表情だと、相手にとって「話しやすい」とはなりません。やはり、笑顔や、相手を受け容れる表情であって初めて話しやすくなります。
笑顔は緊張していては自然にはできませんので、頭は真剣であっても心は「リラックス」して「みんなと話すのが楽しみ」ぐらいに思えているといいですね。
「ま、気楽に雑談しようよ」ぐらいの気持ちで、余裕をつくって、やや笑顔で臨みましょう。
難しければ、冒頭で「いや〜、会議って緊張しますよねぇ」「司会って難しくて。誰か代わってくれません?」等と自分から敢えて言って笑い、自分も周りもほぐしましょう。
成果を出そうと思えばこそ、真剣になりすぎてはいけません。
会議では「安心」が何より必要です。
どんな表情なら、参加者が意見を出しやすいだろうか?
自分は普段どんな表情で進行しているだろうか?
次はどんな表情で行こうか?
まずは、そう考えて臨んでみて下さい。