新年度がスタートし、新入社員研修もひと段落した頃ですね。
さて、皆さん、折角採用した新入社員がすぐに辞めずないかどうか、気掛かりではありませんか?
私自身、新入社員研修を行うことがありますが、苦い経験があります。
それは、フォローアップも含め自分が半年かけて関わった若者たちが、1年経たないうちに辞めてしまっていたことです。
小さな会社で懇意にさせていただいていたので、人事担当者にも私にもインパクトがありました。
私の力不足もあったかとは思いますが、主な原因は、話を伺うに、「先輩社員の教え方がまずかった」ということのようでした。
あまり丁寧に教えず、見て覚えろという昔ながらのスタイル。日常のコミュニケーションも乏しく、育成の計画も不十分で場当たり的だったそうです。
その新人さんはやる気はあり、その会社にとっては優秀な方だったのに、とてももったいない事をしました。
ですので、私は、先輩・上司に対する「教え方」研修に力を入れています。
新入社員研修はどこの会社もするでしょうが、先輩・上司の教え方・関わり方が不味ければ、その投資は水の泡になってしまうからです。
「教え方」というのは、きちんと学んだことがある人は少ないと思います。教え方にもマインドとプランとスキルが必要なのです。
色々ありますが、最低これだけでもやっていただきたい大事なことは次の3つです。
⒈ メンターを決める
⒉ ミーティングの時間を持つ
⒊ 加点法で教える
⒈ メンターを決める
メンターはここでは教育係であり、相談できる「お兄さん・お姉さん」のことです。そういう担当者をちゃんと決めましょう。よくないのは、「誰か手が空いてる人が空いてる時に教える」というスタイルです。これでは新人さんは誰に教わり、相談すればばいいかわかりません。
⒉ ミーティングの時間を持つ
そのメンターが毎日、もしくは最低でも1週間に一度、新人の話を聴く時間を持つ。それをいつの何時と決めておくこと。15分程度の短い時間で十分です。「どんな仕事ができたか。学びは何か。困っていることや不安ははないか。」と言った質問をしてとにかく新人の話を聴くことで安心感を与え、信頼関係をつくっていきます。
⒊ 加点法で教える
できていない事等を教える必要もあるでしょう。その場合でも、マイナス面ばかり指摘するのではなく、まずできているプラスの面を「褒める」ことから。次いで、不足点は「こうすればできるよ。さらによくなるよ」というプラスの言い方で教える。全然受け取り方が違ってきます。
新入社員の早期離職の理由の大半が「人間関係」と言われています。
新入社員は大なり小なり「不安」です。自分からコミュニケーションを取れる人は多くはありません。
そんな新人たちの心理を理解し、安心させる人間関係を築いて、ポジティブなコミュニケーションで教えていく事。
そうしたマインドと方法を、全社員で共有していけば、確実に早期離職は防げると思います。
一人一人がイキイキと働き、全員が協力し合える組織になりますように!