「ファシリテーションは難しい」という声をよくお聞きします。
複数の人が話し合う場を円滑に進めていくことは確かに簡単ではありません。
特に、自分が組織やプロジェクトのリーダーであり、
人数が多い時、意見が多様な時、プロジェクト等の開始時で先が読めない時はそうかもしれません。
ただ、必要以上に苦手意識を持っている人にはこんな「思い込み」があると思います。
「自分が正しい答えを示さないといけない」
「どんな質問にも答えられないといけない」
「澱みなくテキパキ進めないといけない」
こういう必要は全くありません。
確かにリーダーとしての判断が求められる場合はあると思いますが、
会議でファシリテーターを務める時は、「モードの切り替え」が必要です。
ファシリテーターとして大事なことは、あくまで「そこにいるみんなの考えが表に出てくること」です。
そして、それをみんなで見て、「どうしたらいいかをみんなで考えてもらうこと」です。
少々モタモタしても、ポツリポツリと話すだけでも構いません。
会議の特に出だしはそういうものです。
「考え」は、基本は次の3つのことを意識して聞くといいです。
⒈ 今の状況・問題についてどう思っているか?(現在地)
⒉ どうなるといいか?(理想のゴール)
⒊ そのためにどうすればいいか?(ゴールに向かうプロセス)
意見は粘土のようなもので、最初は固まってなくて形が見えないものが、
話し合っていくうちにみんなでこねて形になっていく、というイメージを私は持っています。
ファシリテーターにとって大事なのは、上手に仕切ろうというよりも
「みんな、どんなことを思っているのだろう?」という関心を持つこと。
一人一人に必ず何か考えがあると思って、それを聞き出そうという姿勢を持つこと。
(加えて、上記3つのような視点を持っておくこと)
そうすることで、自然と意見を引き出していくことができます。
それが見えてくれば、次に進むべき方向=「では、どうしたらいいか」も自ずと見えてくるものです。
例えて言うと、みんなが持っている粘土の素材を出し合って、あーだこーだ言いながら、
一緒に形を作って何らかの「作品」を作ること。
そのために「考えを聞いていく」のがファシリテーターとしての自分の役割。
そういうイメージを持っておくと、苦手意識は和らげることができるるのではと思います。