馬に水を飲ませるには?〜リーダーに必要なファシリテーターマインド

ファシリテーションのことなら、岐阜県唯一の専門家にお任せを。ファシリテーションとは会議を円滑に進行し、チームの力を最大限に引き出すこと。ファシリテーターとは単なる司会ではなく意見とやる気を引き出す役割。中小企業等の組織活性化、心理的安全性の向上、風土づくり、チームビルディング、SDGsの促進等に必須のスキルです。管理職等の人材育成、社員教育に、その意味や手法、コツを研修や講座でお教えします。オンライン会議、WEB会議も対応。地域は岐阜、愛知、名古屋、東海地方はじめ全国に対応。

イギリスにこんな格言があります。

馬を水飲み場へ連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない。
“You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.”

あなたは、どんな風に受け止めましたか?

会社の経営に置き換えると、「水飲み場へ連れていく」とは、社員に期待通りの働きをしてもらおうとして、指示をしたり、会議をしたり、研修を受けさせたりすることでしょう。

それに対して、「水を飲む」とは、社員が自ら意欲を持ち、知識を吸収して、主体的に考えて動くということでしょう。

確かに、「水飲み場に連れて行った」からといって、「水を飲む」とは限らないですね。

逆に、無理やり連れていけば行くほど、飲む事を拒否するでしょう。

学校教育でも同じです。

先生が色んな教材を用意し、一生懸命講義しても、生徒が自ら学びたいと思うとは限らない。

逆に、そうすればするほど、生徒は意欲を失うかもしれません。

結局、「水を飲んでほしい」と思ったら、相手に「飲みたい」という気持ち、つまり「渇き」を持ってもらう必要があるわけですね。

それを上手に引き出す行為がファシリテーションであり、役割としてのファシリテーターです。

その逆の「ティーチャー」は、「これを理解して下さい」「これが大事ですので、実行して下さい」という結論だけを伝えて、相手に「飲ませようと」します。

でも、人間は、自分で考えて、決めたことでなければ、やりたいとは思わないのが常です。

硬い言葉で言うと、自らの「認識行為」を経た結論でなければ納得できず、納得感がないことをやろうとは思わないのです。

ですので、最初の時点の「渇き」が大切です。

では、どうしたら「渇き」を引き出せるのか?

テクニック的なことは色々ありますが、ここでは、一番大事な「視点」だけをお伝えします。

それは、こちらの考えを押し付けるのではなく「相手がイチから考えることを手伝う」という視点、姿勢です。

つまり、疑問を持つこと、知ること、考えること、考えを話すこと、決めること、その一連の「認識行為」を、相手がする機会を与えることです。

簡単に言えば、その一つが「情報共有」です。

リーダーの皆さん自身、自分の今の考えに至った情報や知識があると思います。

自分の考えを結論として語る前に、判断材料となる情報をしっかりと共有すること。

そして、あなはどう思う?

どうしたらいいと思う?

と聞いて、考える事を促す、ということです。

人は一人一人見ている風景も、吸収している情報も違います。

が、私たちはそのことを忘れがちで、人が自分と同じ認識に立っているだろうと思い込みがちです。

まずは、そこを自覚して、相手が「水を飲みたくなる」状態にすることを意識しましょう。

それがファシリテーターマインドの第一歩です。

今日も、ご精読、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。