チームづくりには、まず○○から



毎年研修をしている全国組織の介護施設のフロアリーダーさんたちに、
「チームビルディング×ファシリテーション」という研修を最近行いました。


職場を「良いチーム」に育てていくポイント、
並びに、そのための話し合いを上手に進めるスキル=ファシリテーションを
同時に学んでいただくという内容でした。


チームを育てるには、もちろん時間と工夫が必要です。
よくセオリーとして言われるのは以下の4点を形作っていくことです。


①ゴール  …目的・目標を明確にすること
②役割分担 …誰が何をするかを明確にすること
③プロセス …ゴールに向かう手順や仕組みを整えること
④人間関係 …挨拶、声がけ、雑談、承認、感謝等のコミュニケーションで信頼関係を築くこと



そして、私は、これらに、

⑤対話   …一対一で本音の話をすること。意思決定をできるだけ全員参加でしていくこと。

を加えて、「5つのポイント」としてお伝えしています。


どれも大事なのですが、まず、何からとりかかるといいでしょう?


色々な考え方があると思いますが、アンケートの回答の一つに、私もそうですよねぇと共感しました。


「具体的にいつまでに何をするか目標を決めるのはすぐにできる。
 みんなで目標を決める話し合いをする中で、分かり合えることもあるのかなと。」


そう、つまり、①ゴール について、みんなで話し合うということです。


ただし、ゴールといっても「施設の理念」とか、「中長期目標」といった
抽象的な目的や難しそうな目標ではなく、もっと目の前の目標でいいのです。


例えば、(介護施設で言うと)
「今の状況に合った新しいレクリエーションを開発しよう。来月までに」といったものや、
「職員の負担を減らす効率化のアイディアを出そう。今月中に決定」等、です。

もしくは、そういう例を出しながら、目標についての提案をそれぞれから聞いていきます。
その中で、現状に対する意見が色々出てくるでしょう。

そうした声をしっかりと受け止め、お互いを理解することが信頼関係づくりにもなります。


もちろん、日常の信頼関係づくりも大事であり、こちらもすぐに始められることですが、
積み重ねが必要です。


まずは、「目先のゴール」から対話することで、相互理解から信頼関係をつくりつつ、
同じ一つの方向に向かうきっかけをつくることができます。

そして、ハードルの低いゴールであれば、それを形にして、
「小さな成功体験」を共有し、自信とチーム意識を高めていくことができます。


というわけで、チームづくりには、まず「ゴール」から。
それも、小さな「目先のゴール」から対話する場を設け、お互いの思いを聞くことから始めましょう。

すぐ結論がまとまらなくてもOKです。

繰り返し、そうした対話を重ねていくことで、良いチームが育っていくことは間違いありません。

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この記事を書いた人

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。