「うちの社員は会議で意見を言わないんですよ…」
と、ボヤく経営者の皆さんがよくいらっしゃいます。
それで、会議を実際に見させていただくと、大体同じことが起きています。
それは、「経営者がしゃべりすぎていること」。
小さな会社では経営者自身が進行役をやっていることがありますが、進行役が一番しゃべっていて、他の人はただそれを拝聴している、という構図です。
たまに社員が意見を言っても、それに反応してまた進行役が自分の考えや言いたいことを語る。
ということなので、当然社員は意見を言いにくいですし、「言っても聞いてもらえない」のですから、言わなくなるのも当然ですね。
でも、本人は気がつかないものです。
誰も注意してくれる人がいないのですから。
ですので、時々、私のような外部の人を入れて観察・助言してもらうことが必要だと思います。
つまり、進行役が絶対やってはいけないことは、「進行役がしゃべりすぎること」。
質問や振ること以外は、自分の考えはぐっと押さえて、みんなが言わなかったことであれば最後に言う、というスタンスが望ましいです。
そして、もう一つ、「絶対やってはいけないこと」があります。
それは、「即否定・即評価」です。
「いや、そんな案じゃダメだろ」
「わかるけど、現実的じゃないね」
等と、意見を出した直後にすぐ否定的コメントや評価判断をすることです。
これでは、自由に気軽に意見を言うことはできなくなってしまいます。
「いや、イマイチな意見だってあるじゃないか」と反論されそうですが、確かにそうです。
人によって、知識や考えには差があります。
ですが、参加者全員に主体的に意見を出してほしかったら、内容以前に「発言したことそのもの」を褒めることが必要です。まずは「聴く」こと。
そして、出し切ってから、最後に「どの意見がいいと思う?」と、みんなで評価・選択すればいいのです。
お互い本音で何を言っても大丈夫な関係だったらいいのですが、そうでなければ、とにかく「たくさん出してもらって、発言自体を褒め、共感する」ことが参加者を勇気づけます。
「しゃべりすぎない」「否定しない」。
この二つが、進行役には絶対に守ってほしいことです。
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