本気の対話で「本当の答え」が見えた話

ファシリテーションのことなら、岐阜県唯一の専門家にお任せを。ファシリテーションとはアジェンダを整え、会議を円滑に進行し、チームの力を最大限に引き出すこと。ファシリテーター(支援型リーダー)とは単なる司会ではなく意見とやる気を引き出す役割。中小企業等の組織活性化、心理的安全性の向上、風土づくり、チームビルディング、リーダーシップ、SDGsの促進等に必須のスキルです。管理職等の人材育成、社員教育に、その意味や手法、コツを研修や講座でお教えします。オンライン会議、WEB会議も対応。地域は岐阜、愛知、名古屋、東海地方はじめ全国に対応。

人としっかりと対話することの必要性を感じた出来事が最近ありました。

私がしたある質問で流れがガラッと変わり、相手の「本当の答え」が見えてきたのです。

相手は、岐阜県内のある内装業の会社の課長さんです。

6月からこの課の業務改善をご支援しているのですが、正直、なかなか思うように進みませんでした。

改善策を課の全員で決めたはずが、部下の一人が「仕事を増やしたくない」と反発して実行しなかったり、課長自身が忙しさを理由に取り組んでなかったり。

折しも、繁忙期に入って残業が増え、社長と課員の間で衝突が起きて雰囲気が最悪になっていると、課長は嘆いていました。

元々、繁忙期の大変さを緩和するために進捗管理の可視化・仕組み化を考えてきたのですが、それが進まず悪循環に陥っていました。

それまでは「取り組みやすいこと」からやってもらいました。その日のミーティングでも、その路線を続けるよう提案することもできたのですが、課長の様子を見ていて、どうも違うなという感じがしてきました。

そこで、こう伝えて質問しました。

「正直、これ以上やっても進まないと思います。⚫︎⚫︎さんが自分からやりたいと思うことでないと。」

⚫︎⚫︎さんが本当にやりたいことは何ですか?

 今の状態を改善するために、本当にやるべきだと思うことは何でしょうか?

「う〜ん」と黙りこんでしまいましたが、

「待ちますので、考えてみてください」と答えて、急かさずに待ちました。

すると、答えが出てきました。

それは確かにそうだと頷ける、根本的な改善策でした。

課員には負担をかけず、効率を上げ、社長の不満も解消できる策です。

答えている課長自身の表情は晴れやかで、声にも勢いがありました。

「それだったら、やりたいですか?」と確認したら、

「これは本当にやりたいです」と返ってきて、すぐに取り組むことになりました。

それまでの私の関わり方を反省するとともに、やはり、形だけの行動に走らせず、「本当のところ」を聞いたことがよかったと我ながら思いました。

こういうことが「対話」なのだと思います。

相手が本当に問題だと思っていることや、本当にやるべき、やりたいと思うことを聞くこと。

そして、自分の正直な考えも伝えること。

そんな時間を持つことです。

忙しさを理由に業務の処理ばかりに時間を使っていると、根本的な改善ができません。

対話は、「未来への投資」です。

問題が起きている所ほど、少し立ち止まって対話する時間を持ってもらえたらと思います。

そして、「対話が大事なのはわかるが、どうしたらいいの?」と思った方、管理職・経営者等の皆さん、今週末の「上司の対話力」セミナーに是非ご参加ください。

対話の体験ができ、コツが学べます。


十六総合研究所主催
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この記事を書いた人

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。