意見が出ないのはなぜ?





「若い社員が会議で意見を言ってくれない…」


と言ったお悩みの声を、中小企業の経営者や管理職の方から、
会議ファシリテーションのセミナーの場でよくお聞きします。


「え、なぜ…?」と言うより、多分、日本では、残念ながら、
それが当たり前、普通の状態です(笑)。


何もしなければ、自然とそうなるでしょう。


社会全体が今でもまだ「上下意識」の強い社会です。


元々ある「年齢」という階層に加え、
会社組織では「役職」を元にした階層構造が加わり、
現実的に「評価」「人事権」が握られているわけですから、
いわゆる「下」の人にとって、「ものが言いにくい」はごく当然です。


「上」の人は、自分が考える以上に、
「下」の人には「恐れや不安」があることを理解する必要があります。


この「上下意識」は会社という組織でなくても、
地域の会合でも何でも、およそ人間が集まる場で生じてしまうものです。
(年齢、性別、学歴、職歴、経験年数、肩書き…)


ですので、組織でも地域でも、ファシリテーションをしようと思ったら、
まず、この「上下意識」をできるだけ和らげるということが必須です。


それには、「言わない人」がどんな心理状態でいるのかを理解することが必要です。


「何が求められているのだろうか…?」
「私なんかが言っていいのだろうか…?」
「私の意見は的外れじゃないだろうか…?」
「怒られないだろうか…?」「バカにされないだろうか…?」
「うまく言えるだろうか…?」


総じて「不安」なのですが、細かく見ればいろんな点で不安を感じているものです。


ファシリテーターは、こうした不安を「先読み」して、
和らげる言葉をかけ、「安心安全な」雰囲気をつくっていくことが第一に求められます。


では、具体的に、どんな言葉をかけたらいいのか?何をしたらいいのか?
は、想像できると思うのですが、また次回に。

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この記事を書いた人

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。