私は主に岐阜県内の中小企業に向けて、社員主体の課題解決・業務改善の支援を行っています。
社員が自分達で問題解決をするのは当たり前じゃないか。
外部の力を借りなくてもできるでしょ。
と思われる方もいるかもしれませんが、それが意外とそうではないということが現場を回っているとわかります。
同じ課の中でも問題がずっと積み残しされていたり、ましてや複数の部署にまたがる問題だと、日々支障があるのに話し合いすら行われないということがよくあります。
社長ももちろん問題があるとわかっているのですが、なかなか手がつけられなかったり、「言ってるのにやってくれない」とぼやくケースが少なくありません。
そんな中で、私の支援をご依頼いただくと、関係する社員一人一人からヒアリングを行った上で、問題解決のミーティングをご提案して計画・進行しています。
私が思うに、問題解決は、「俎上に乗せたら半分成功」です。
私の経験上、問題が存在している原因の多くは「話し合っていない」ことにあります。
なので、まずは問題をテーブルの上に乗せる、つまり、話し合いの対象にすると決め、持ちかけることがすごく大事。
逆に、それができたら、大きな前進です。
もちろん、そこからいかに上手に話し合うか、ということがもう半分の仕事です。
それについては一冊の本になる話なので(笑)、この記事では、一つだけ、大事なことを言いたいと思います。
それは、問題解決の話し合いでは、
「人を問題にせず、仕組みを問題にする」です。
誰が悪いか、ではなく、やり方やルールにどんな問題があるか、と考えることです。
慣れている人には当たり前の話ですが、そうではない人も大勢います。
特に、自分がその問題の当事者であると、その本人は「私の問題だ」「怒られている」と受け取ってしまいがちです。
先日も、ある企業の問題解決会議で、そのような事がありました。
みんなで問題点を出し合っている時に、途中までずっと黙っている人がいたので、
「○○さんは何か問題だと思っていることはありませんか?」と振ってみました。
すると、ちょっと困ったような不機嫌なような表情で
「…いや、これは私の問題です。私がちゃんとやればいいんです」と。
他の人たちは少し慌てた表情で、「いや、いや、そんな…」と取りなしました。
私は、この人が担当だったのかとそこで初めて気がついたのですが、
もちろんその人に、自分を責めてほしいわけではありません。
そこで、あらためて、「この場は決して“犯人探し”の場ではありません。個人を問題にするのではく、あくまで仕組みやルールをどう変えたらいいかを話し合う場です」と少し明るく伝え、雰囲気を変えました。
その後は、その方も積極的に発言してくださり、議論を重ねた末、みんなで解決策を決めることができました。
問題点を扱う場合、周りはそういう気はなくても、やはり当事者にとっては気まずいものです。
なので、くどいようでも「人ではなく仕組み・ルール」を強調し、個人を責める場ではないことを明確にして、そういう雰囲気にならないようにする必要があります。
皆さんの会議はどうでしょうか?
あらためて点検してみてください。
そして、問題について話しにくい雰囲気があるのなら、「個人の問題ではなく仕組み・ルールだよ」と伝えましょう。