この時期、新入社員の研修が盛んです。
私自身も登壇することがありますが、いつも思うのです。
新入社員への研修は必要だけど、その先輩たちへの「教え方」の研修も、
それ以上に大事ですよ、と。
先輩、上司がどう接するか・教えるかで、
新人さんたちの理解度もやる気も違ってくるからです。
実際、私自身も、自分が研修で教えた新人さんたちが、
残念ながら一年と経たずに退職していったことがあります。
理由は単純化できないかもしれませんが、先輩方の接し方が
もう少し違っていればと思わずにいられません。
最も良くない接し方は、「放ったらかし」と「叱るばかり」です。
前者は、新人に関心を持たず、育成の方針も計画もない、
教育担当者も決めていない、といった状態です。
後者は、指導はするものの、できていないことばかりを指摘し、
ひどい場合は感情的に怒って指導するというやり方です。
これでは、ただ恐怖心で人を動かすだけで、
心からのやる気や、成長しようという前向きな気持ちを引き出すことにはなりません。
ついて来られない人が悪い?
そう考えていたら、人は、特に今時の若者は定着しないでしょう。
若い人材が定着しない会社は、自分たちのあり方、
コミュニケーションの仕方を大いに反省した方がいいと思います。
まずは、指導・育成する心構えとして、「叱る」という考え方をやめましょう。
「叱る」必要はありません。
必要なのは、何をどのレベルでしてほしいか、
「業務」と「基準」を明確・具体的にして、それを求めることだけです。
そして、できたことは褒めてあげる。
そうすることで、新人は「基準」を満たせたと確認でき、
自信を持つことができます。
人のやる気を引き出すコミュニケーションで上手に育成しましょう。
新人研修より指導者研修が大切な理由
この記事を書いた人
井坂 泰成
合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。