「指示待ち部下」は上司がつくる?|主体性を奪う5つのNG行動

組織づくりと人材育成のことなら、実績あるファシリテーターにお任せを。自走型組織、自律型組織への組織変革、組織開発、チームビルディング、リーダー育成、社員教育、会議・ミーティングの活性化をプロのファシリテーションの技術で実現します。心理的安全性を向上させ、指示待ち社員の主体性とやる気を引き出し、持続的に発展する強い組織づくりを伴走支援します。神戸を拠点に関西、東海、岐阜県、全国で対面・オンラインでの研修に対応しています。

「うちの部下は、言われたことしかやらないんです」 「もっと自分で考えて動いてほしいのに…」

管理職や経営者の方からよく聞く悩みです。
その気持ちもよくわかります。

しかし、200社以上の組織づくりを支援してきた経験から言えることがあります。

部下が「指示待ち」になるのは、本人の性格や能力の問題だけではありません。
実は、上司や経営者の何気ない関わり方が、部下の主体性を奪っているケースが非常に多いのです。

今回は、部下を指示待ちにしてしまう「5つのNG行動」と、主体性を引き出すためのヒントをお伝えします。

なぜ「指示待ち」が生まれるのか

そもそも、最初から「指示待ち」だった人はいません。

新入社員の頃を思い出してください。
多くの人は「早く戦力になりたい」「認められたい」という意欲を持って入社したはずです。

では、なぜその意欲が失われてしまうのか。

それは、「良かれと思ってやったのに、怒られた」や「頑張っても認めてもらえない」という経験の積み重ねです。

何度かそういう経験をすると、人は学習します。「余計なことをするより、言われたことだけやっていた方が安全だ」と。

つまり、指示待ちとは「自己防衛の結果」なのです。

そして多くの場合、その原因をつくっているのは、上司自身の関わり方にあります。

主体性を奪う5つのNG行動

では、具体的にどんな行動が部下の主体性を奪ってしまうのでしょうか。

NG① 役割期待を伝えていない

「あなたにこのチームでこういう役割を担ってほしい」「あなたにはこんな活躍を期待している」——こうしたことを、言葉にして伝えているでしょうか。

役割期待が曖昧なままだと、部下は「自分は何をすればいいのか」「どこまでやっていいのか」がわかりません。

結果として、明確な指示があるものだけをこなす「作業者」になってしまいます。

期待は、伝えなければ伝わりません。
「言わなくてもわかるだろう」は幻想です。

NG② 適度な目標を共有していない

人が仕事にやりがいを感じるには、高すぎず、低すぎない目標が必要です。

それを達成した時に、自身の成長と、周囲や顧客への貢献に喜びを感じることで、やりがいを見出してもらえます。

さらには、創意工夫をする過程そのものに仕事の面白さを感じてもらえます。

意味ある目標が共有されていないと、部下は「言われた作業をこなす」だけになります。

ただ指示を出すだけではなく、部下の成長につながる目標を話し合って設定し、達成したら一緒に喜ぶ。

それが、部下のやる気に火を着けます。

NG③ 褒めない・認めない

部下が目標を達成した時、ちゃんと褒めていますか?

また、その過程の普段の努力、部下なりの工夫や心がけを認めて言葉にしていますか?

「当たり前のことだから」「まだまだ足りないから」と、承認を後回しにしていませんか?

人は、認められることで「この方向でいいんだ」と確信を持てます。

小さな行動でも、「それ、いいね」「考えてるね」等と伝えることで、主体的な行動が強化されていきます。

逆に、何をやっても認められなければ、「頑張っても意味がない」と感じてしまうのは自然なことです。

NG④ 答えを先に言ってしまう

部下が「どうすればいいですか?」と聞いてきたとき、すぐに答えを教えていませんか?

忙しい日常の中で、つい「こうして」と言ってしまう気持ちはわかります。その方が早いですから。

しかし、これを繰り返すと、部下は「聞けば答えがもらえる」と学習し、自分で考えることをやめてしまいます。

答えを教えるのは簡単です。

でも、それは部下が「考える機会」を奪っていることでもあるのです。

NG⑤ 部下の考えを否定・修正しすぎる

部下が自分なりに考えて提案や行動をしたとき、「いや、そうじゃなくて」「もっとこうした方がいい」と否定や修正をしすぎていませんか?

もちろん、間違いを正すことは必要です。

しかし、毎回否定されると、部下は「どうせ自分の考えは通らない」「考えるだけ無駄だ」と感じるようになります。

大切なのは、まず「考えたこと自体」を受け止めること。

そして、部分的にでも採用できることは採用すること。

その上で、必要な助言を伝えればいいのです。

主体性を引き出す関わり方

ここまで読んで、「自分も当てはまるかも…」と感じた方もいるかもしれません。

でも、安心してください。これらは、意識すれば変えられることばかりです。

まずは、期待と目標を言葉にして伝えること。

「あなたにはこれをお願いしたい」「こんな成果を出してほしい」と、きちんと言語化して共有するだけで、部下の動き方は変わります。

次に、**答えを教える代わりに「問いかける」**こと。
「あなたはどう思う?」「どうすればいいと思う?」と聞くことで、部下は自分で考えざるを得なくなります。

最初は戸惑うかもしれませんが、これが「考える筋力」を育てます。

そして、小さなことでも認めること。
完璧を求めず、「考えて動いた」というプロセス自体を承認する。

この積み重ねが、主体性を育てる土壌になります。

まとめ

「指示待ち部下」は、上司の関わり方によってつくられることがあります。

役割期待を伝えていない。目標を共有していない。答えを先に言ってしまう。考えを否定する。褒めない。——これらのNG行動が、知らず知らずのうちに部下の主体性を奪っています。

主体性は、「引き出す」というより「邪魔しない」「土台をつくる」という意識が大切です。

まずは明日、部下に「あなたはどう思う?」と聞いてみることから始めてみませんか?

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この記事を書いた人

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井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員/ファシリテーター・人材育成コンサルタント。一人一人が主体的に動いて協力する「共創型組織」づくりの対話支援と研修を行っています。東京大学文学部卒。NHKディレクター、JICA、コンサルティング会社等を経て創業。神戸市在住。