「人がなかなか育たない」と嘆く経営者や管理職の皆さんとお会いすることがよくあります。
いろんなコンサルタントを呼んできたり、社員に研修を受けさせたり、直接指導もしたりと努力はしていますが、社員のモチベーションは上がらず、成果も上がりません。
一方で、若い社員が自発的に考えて動き、イキイキと仕事をして、業績好調な会社もあります。
何が違うのでしょうか?
「人を動かす」立場の人が、やってしまいがちなことがあります。
それは、相手に信頼されないまま「人を変えよう」とすること。
自分のことは棚に上げて、人を正そうとすることです。
あなたは、誰かによって自分を変えられたいでしょうか?
そう思う人はいないでしょう。
人は学びたい、学ぶ必要がある、この人の話なら聞こう、と思えて初めて何かを「自発的に」学び、変わっていくものです。
では、どうすれば、相手は自発的に学ぼうとしてくれるのでしょうか?
と言うと、教える側がまず「お手本」になること。
これが真っ先に必要であり、効果的なことです。
・ネガティブな言動はせず、人を励ます前向きな言動をする
・人一倍勉強し、実践している
・自分の立場でやるべき正しい行動を日々取っている
そうした「率先垂範」があって初めて、部下・後輩は尊敬・信頼してくれて、「この人の行動を真似よう」「この人のことなら聞こう」という心持ちになるのです。
黙っていてもいい影響を与えることで、人がその影響を受けて変わっていくわけです。
「尊敬」や「信頼」なしに、人が心を開いてくれることはありません。
著名なコンサルタントである福島正伸さんは、指導者には3つの姿勢が求めらると言います。
見本・信頼・支援の3つです。
見本…まず自分が手本を見せる。相手になってほしい姿を自分がやる。
信頼…相手を否定せず、低く見ず、人として受け入れて信頼して接する。
支援…相手が自分で考えてできるように、励ましや質問やアドバイスで自立を助ける。
ちなみに、福島さんはこの3つの影響力の大きさを見本7:信頼2:支援1の比率で表しています。
(福島正伸『真経営学読本』より)
それぐらい、見本になることが一番大きいということですね。
ノウハウや技術、心構えを教えるにしても、まず自分自身が良いお手本となり、相手を信頼して、相手から信頼されて、初めて、相手に「教わろう」という主体性が生まれる。
ちょっと見えにくいことですが、実は一番大事なこととして、育成に当たる方や経営者は踏まえていただけると、若手等の育成がスムーズに行くと思います。
もっと詳しいことや具体的な技術を知りたいという方は、以下のセミナーで学んでいただけます。
ご参加お待ちしております。