ファシリテーターは意見を言ってはいけないって本当?

ファシリテーションのことなら、岐阜県唯一の専門家にお任せを。ファシリテーションとは会議を円滑に進行し、チームの力を最大限に引き出すこと。ファシリテーターとは単なる司会ではなく意見とやる気を引き出す役割。中小企業等の組織活性化、心理的安全性の向上、風土づくり、チームビルディング、SDGsの促進等に必須のスキルです。管理職等の人材育成、社員教育に、その意味や手法、コツを研修や講座でお教えします。オンライン会議、WEB会議も対応。地域は岐阜、愛知、名古屋、東海地方はじめ全国に対応。

会議ファシリテーションの研修で、よくいただく質問があります。

その中の一つが、「ファシリテーターが意見を言っていけませんか?」です。

ファシリテーターはみんなの意見を引き出す役割なのだから、中立であるべきと言われていますし、私もそうお伝えしています。

ですので、ファシリテーターは意見を言うべきではない。しかし、現実には言いたくなるし、言う必要がある場面もあるのではないか。という疑問を持たれるわけですね。

ひどい場合は「誘導してはいけませんか?」とまで聞いてくる人もいますが(笑)。

さて、ファシリテーターは意見を「言うべきではない」「いや、言ってもいい」、どちらなのでしょうか?

私の考えを申し上げると、ファシリテーターが意見を言ってもいいかどうかは「意図」によります。

何事もですが、「意図」が大事。

どんな意図なら意見を言ってもいいかと言うと、「自分の意見を通すため」ではなく、「みんなによく考えてもらう」ためという意図です。

具体的にはこんな場合です。

・最初に、話しやすくするために2、3の意見を例として出す。

・まだ出ていない視点の意見を「こういうのはどうでしょう?」と言って出す。

・議論が停滞したときに、「C案はどう?」「A案とB案なら、どっち?」と、具体例として出す。

・メンバーが安易な決定に流れようとしている時、「それでいいですか?こっちはどうですか?」と、少数意見に目を向けさせる。

・組織のリーダーであれば、自分の意見を最後に出す。

ただし、原則は、やはり「ファシリテーターは意見を言わない方がいい」と申し上げておきたいです。

というのは、

⒈ 慣れてない人が「進行役も意見を言ってもいいんだ」と理解すると、人の意見を引き出すということが疎かになる恐れがあります。慣れている人は進行役としての自分と一メンバーとしての自分を切り替えられますが、普通はそれは難しいことで、自制していないとついつい自分の意見を言いたくなります。

⒉リーダー(経営者・管理職等)がファシリテーターをする場合、その人の意見の影響力はやはり大きいです。メンバーが安心して自由に話せることを優先するには、リーダーは原則黙っていて、違和感がある時や、自分と同じ意見が場に出ていない時にだけ出した方がいいでしょう。

この問題は、プロのファシリテーターの間でも意見が分かれるというか、答えに幅がある問題です。

絶対にこうでないといけないというものではありません。その組織の状況や会議の場面にもよるでしょう。

やはり、大事なことは「意図」です。

あくまで「みんなで考え、みんなで決める」というファシリテーションの原則を踏まえた上で、「ここではどうするといいのか?」と具体的な対応を考える必要があります。

その参考になれば幸いです。

お読みいただき、ありがとうございます。

今日も良い一日をお過ごしください!

メルマガ登録

週1回程度、役立つ情報をお届けします。よろしければお気軽にご登録ください(解除はいつでも可能です)。

メルマガ登録

週1回程度、役立つ情報をお届けします。よろしければお気軽にご登録ください(解除はいつでも可能です)。

この記事を書いた人

組織づくりと人材育成のことなら、実績あるファシリテーターにお任せを。自走型・自律型組織への組織変革、チームビルディング、リーダー育成、社員教育、会議・ミーティングの活性化をプロのファシリテーションの技術で実現します。心理的安全性を向上させ、社員の主体性とやる気を引き出し、持続的に発展する強い組織づくりを伴走支援します。神戸を拠点に関西、東海、全国で対面・オンラインでの研修に対応しています。

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員/ファシリテーター・人材育成コンサルタント。一人一人が主体的に動いて協力する「共創型組織」づくりの対話支援と研修を行っています。東京大学文学部卒。NHKディレクター、JICA、コンサルティング会社等を経て創業。神戸市在住。