「会議で社員が意見を出してくれない」
と、経営者や管理職の皆さん、お悩みではありませんか?
さて、これまでの記事では、意見が出ない主な理由として以下のことを挙げました。
⒈ わからない(テーマについての知識、考えが不足している)
⒉ 不安(言ってもいいのかな?的外れじゃないかな?否定されないかな?)
⒊ 関係ない(当事者意識がない)
⒋ 言っても無駄(無力感)
意見を出してもらうには、要するに、これらのことをクリアしていけばいいと言えます。
⒈ わからない については、
必要な情報、データ、資料等を前もって送り、「読んで意見を考えて来て」と伝えておきましょう。
トレンドや市場・顧客層の動向等、インターネットで調べられることを検索してくるように伝えるのもいいでしょう。
結構ありがちなのが、何も情報を提供しなかったり、会議のその場で資料を初めて読ませるといった運営です。
それでは、意見を言うのは難しくなります。
そもそも、一般社員が、日頃から情報を得て考えていえる経営者等と同じレベルで物を考えることは困難です。
できるだけ「レベル合わせ」するよう、事前に情報を得てもらう努力をしましょう。
⒉ 不安 については、
こちらの方が大きな要因かもしれません。
できるだけ「安全安心な場をつくる」配慮をしましょう。
それには、進行する人はこういうことを会議の冒頭で伝えましょう。
「どんな意見も歓迎だから」
「ありきたりかなと思っても、的外れかなと思っても、言ってくれたらいいから」
「バカにしないし、怒らないし、否定しないから」
「みんな、否定は禁止ね。人の意見にすぐに無理とか言わないで。言ったら罰金ね(笑)」
「みんなが意見を出すこと自体に意味があるので、是非一人一人の考えを聞かせて下さい」
等です。
言い方はいかようでもいいのですが、とにかく「本当に聞きたい」という思いを
表情や言葉の強さで表すことが大事です。
そして、表情はやはり笑顔で「話しやすい雰囲気」を進行役自らが醸し出すことが有効です。
また、上記のことを文字でルール化しておくのも効果的です。
例えば、こういう感じです。
会議のルール
⒈ 発言はさえぎらずに最後まで聴く
⒉ 即否定しない
⒊ 簡潔に話し、同じ話を繰り返さない
そして、さらに大事なことですが、「話す機会」を確実に与えるということです。
これは、単純に、「では、一人ずつ順番に意見を言ってもらえるかな」と、
発言の仕方を「一巡」で指定するということです。
逆に、ありがちなのが、「誰か何か意見ありますか?」と、いきなり全体に投げてしまうことです。
これは、参加者が発言に慣れてる場合はいいのですが、
そうでなければ、参加者にとっては、人数が多くなるほどハードルが高くなってしまいます。
それよりも、少なくとも会議の最初は「一巡」にしてしまった方がいいでしょう。
「意見が出せなければパスでもいいよ」と言っておいても構いません。
ほぼ、これで改善されると思います。
試してみて下さい。
意見を言ってもらうには?
この記事を書いた人
井坂 泰成
合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。