リーダーなら知っておきたい「動機づけ」3つの視点

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部下、社員に「イチイチ指示しなくても、主体的に考えて動いてほしい」と思っている経営者・管理職等のリーダーさんたちは世にたくさんおられると思います。

では、人はどんな時に主体的に動くのでしょうか?

結論から言うと、次の3つのことが満たされた時です。

①関係性…「よき仲間がいる」という感覚。周囲の人との間に安心感、信頼感があり、自分は受け入れられている。頼ること、頼られることができるという状態です。

②有能感…「自分はできる」という感覚。与えられた役割を果たす力が自分にあると感じられていること。

③自律性…「自分で決めていい」という感覚。「律」というと自分をルールで縛るというイメージがありますが、「自由にしてよい」「自己決定性」という意味です。

これは、人間の「内発的動機づけ」を実験等で研究したエドワード・デシという学者の理論によるものです。

私自身が社会人として成長してきた経験や、組織のリーダーとしてメンバーに関わってきた経験に照らし合わせて、すごく納得感があります。

この3つを意識していれば、部下・社員にどのように関わっていけばいいかの見通しができると思います。

①関係性 まずはお互いを知り合い、話しやすい関係・場をつくる。

②有能感 どんな小さなことでもできたことを認め、自信を持たせる。

③自律性 徐々に仕事を任せていく。目標だけ合意したら、やり方は考えてもらう。

相手の成長過程に応じてそれぞれのウエイトを変えていくことが必要ですが、ある程度自立してきた相手には、特に③の自律性が大事です。

自分で考え、自分で決めて、自分でやってみる。

それができてこそ、仕事が「自分ごと」になり、本当の意味での「主体性」が生まれてきます。

もちろん、任せても期待通りの結果を出してくれるとは限りません。
(私もかつて落胆したことがよくありました…)

それでも、「これも成長の過程」ととらえて、信頼することがリーダーとして欠かせない資質なのだろうと思います。

そうでなければ、ずっと自分が直接指示し続けることになり、ちっとも楽になりませんし、社員・部下も面白くないままです。

人が組織において主体的に動く状態をつくるのは、決してすぐにできることではないと思います。

「やる気スイッチ」のようなものがありませんか?と研修で質問されることがありますが、残念ながらそのようなものはないとお答えします。

「自律性」をゴールに、粘り強く関係をつくり、機会を与え、励まし続けることこそが、最良の手段だと思います。

「内発的動機づけ」3つの視点、是非活用してください。

お読みいただき、ありがとうございます。

今日も良い一日をお過ごしください!

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この記事を書いた人

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。