井坂 泰成 
先月（2024年の4月）、愛知県にある製造業企業M社様に依頼されて、社内セミナーを行いました。
創業８０年を超える老舗の１００人規模の企業。
ですが、ビジネス環境の急激な変化に危機感を感じています。
社員の高齢化や人手不足にも直面しています。
今後の時代に生き残れるような組織づくりに取り組みたいとのことで、まずは、幹部・管理職層の社員を対象にした社内セミナーをご依頼いただきました。
題して「強い組織のつくりかた」。
内容は、お客さまの状況に合わせて以下のようにしました。
⒈ 今の企業の平均寿命～これからの時代を生き残るには？
【対話】自社にとっての危機感をどんなことで感じますか？
⒉ なぜ、組織は変われないのか？
【対話】組織が変化しにくいのはなぜ？
⒊ より「強い組織」に変わるには？
【対話】あなたの考える「強い組織」とは？
【対話】自社が持っている「強み」や「誇り」は何でしょうか？
【対話】３年後、自社がどんな組織になっていたら最高ですか？
＜セミナーで使用したスライドの一部＞
私は各パート少し情報提供をして、その後で参加者同士で対話をしていただくという流れ。
２時間のうちの多くは対話と意見の共有の時間でした。
こうした研修やセミナーを受けた経験があまりないということで、積極的に受けてくれるか？意見が出るのか？
という懸念が主催者にも私にも若干ありましたが、それは杞憂でした。
対話が始まると、終了時間になっても終わらず、活発な意見交換を重ねていただきました。
私にとって特に印象的だったのが、「強み」や「誇りに思えること」の対話の中で、「歴史」や「技術力」という予想できる答えだけではなく、みんながハッとするような意見が出たことです。
それは、「出戻りが多い」。
つまり、一度退職した人も暖かく受け入れていること。
その意見を、実際に出戻りをした社員の方が仰ったので説得力がありました。
出戻りを可能にする組織風土があることを「強み」としてみんなが再発見した瞬間。
これは、社員自身による対話の場ならではの醍醐味です。
（社員自身が持っている力なのですが、第三者による働きかけというきっかけがあって初めて出てくることも事実です）
そんな潜在力を持つ組織だからでしょう。
最後の対話「３年後、自社がどんな組織になっていたら最高ですか？」では、暖かく、素直で、夢のあるビジョンがたくさん出てきました。
• 壁のない組織
• 社員イベント等で社員の家族同士、仲良く笑い合える
• 上司、部下関係なく何でも気軽に話し合い笑える
• 部署関係なく応援し合える
• お互いがお互いを思いやれる
• 若い人が増えている
• 自分の子供を入れたい会社
• 仕事半分、利益倍
• 海外支社ができワールドワイドになっている
• オリジナル商品が提供できる
こうした「夢」を聞くとき、私自身も胸が熱くなり、実現に向けて応援したくます。
セミナー終了後のアンケートの回答も前向きなものばかりで、皆さんの手応えを感じることができました。
アンケートの声
「今までに経験したことのないセミナーで、大変勉強になりました」
「『対話することから始まる』と認識できました。単純に楽しくもありました」
「社内でのコミュニケーションの大切さを実感しました」
「対話型組織開発を初めて知りました。問題解決やトップダウンしか経験がなく、本当に良かったと思っています」
「みんなの思いは同じであり、同じ方向へ向かって団結できると思いました」
「夢を書き出すのは大変恥ずかしいけど、目標に変わることの気づきになりました」
「自分達がやっている仕事に自信を持てるように自分自身、もっと知る必要がある」
「自部署や他部署と一緒に本日行った対話をやってみたいと思った。『意見を言いなさい』より効果的」
「今の組織がまだまだ良くなれる意見がたくさんでていた。垣根を超えて行動していきたいと思いました」
社員に主体的に動いてほしいと望む社長は多いと思いますが、訓示や理念の浸透よりも、
社員自身による対話が効果的だとつくづく思います。
経営層の方々からも感謝の言葉をいただき、今後も継続的なご支援の依頼を頂きました。
M社の幸せな未来の実現に向けて、組織変革がスタートしました。
人材育成や組織づくりでお困りの経営者の皆様、是非社内での対話による組織変革をご検討ください。
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