製造業のあるクライアント様で、半年にわたり続けてきた4部門合同のチームビルディング研修が、先日、ついに最終回を迎えました。
これまでの報告では、部門間に横たわる見えない「カベ」を、対話を通じてどう溶かしていくかというテーマを中心にお伝えしてきました。
最終回で交わされたのは、そのカベの先にある「変わったこと」と「夢」の言葉でした。
半年前、部門ごとにばらばらだった景色が、この日ようやく、ひとつの地図として重なり合った。
そんな手応えのある最終回でした。
「変わったこと」の手応え
最終回ではまず、各部門が半年間を通じて「変わったこと」「まだ変わっていないこと」を、包み隠さず突き合わせました。
変わったこととしては、以下のことが語られました。
「部内の風通しが良くなり、何でも言える雰囲気になった」
「みんなが指示待ちではなく、自分で考えて動くようになった」
「以前より声を掛け合うようになり、指示待ちの状態が減ってきた」
「安全に関わる場面で、リーダー以外のメンバーも自分の言葉で話すようになった」
どの部門も着実な変化があったことに手応えを感じていました。
一方で、「まだ変わっていない」ことも率直に語られ、今後の課題として共有できました。
熱を込めて語られた「夢」
そして、今後に向けた会社全体の「夢」を部門を超えて語り合いました。
「自社ブランドをさらに深め、新しい挑戦を広げていくこと」
「地域や社会とのつながりを生かして、会社の存在を発信していくこと」
「毎年新卒が入社し、自社の製品を心待ちにしてもらえる会社であり続けること」
といった言葉が、部門を越えて共通して語られました。
夢を語る声には、これまでにはなかった熱量がありました。
その熱を具体的な行動に落とし込むように、各部門はそれぞれ一つずつ、期限つきの目標を掲げました。
ある部門は、毎月の売上目標を「頑張れば達成できそうな」レベルに引き上げました。
別の部門は「不具合をゼロにすること」を掲げました。
また別の部門は「属人化から抜け出し、誰もが複数の業務をこなせる体制をつくること」を。
もう一つの部門は「自社のブランドを、ものづくりの技術そのものに刻み込んでいくこと」を目標に据えました。
部門長が一人で決めたのではなく、部員全員が意見を出して決めたことに意義がありました。
一言に宿った、半年の実感
研修の最後には、参加者一人ひとりが今の気持ちを一言ずつ、車座で共有しました。
「言いたいことを言える場になった」
「部門を越えてつながることで、新しい価値が生まれることを実感した」
「基本を徹底することの大切さに、改めて気づいた」
一言一言は短くても、そこに込められた実感の重さに、こちらが胸を打たれる瞬間が何度もありました。
経営陣のお一人は、6回を振り返り、こんな言葉を残してくれました。
この半年で本当に育ったのは、具体的な成果である以前に、部門を越えて本音で語り合える「関係性」だったのではないか。
まったくその通りだと思います。
関係性は、数字にもグラフにもなりません。
けれど、それは畑でいえば土壌そのものであり、そこが耕されていなければ、どんな夢も目標も、根を張ることはできません。
6ヶ月という長いようで短い道のりの中で、この会社は、その土壌を自らの手で耕し続けてきました。
全6回の研修は、これで一区切りを迎えます。
けれど、耕された土壌に蒔かれた「変わったこと」と「夢」という種は、これからの日々の中で、少しずつ芽吹いていくはずです。
その芽吹きを、これからも見届けていきたいと思います。

