「社員がもっと自分から動いてくれたら…」
「上から言わなくても考えて行動するチームにしたい」
こんな願いを持つ社長は多いのではないでしょうか。
しかし、実際には「自律型組織をつくろう」と掲げたはずが、逆に社員の主体性を奪ってしまっているケースが少なくありません。
今回は、自律型組織を目指す社長が ついやってしまいがちな“やってはいけないこと” を3つ紹介します。

1. 社長が「答え」をすぐに出してしまうこと
自律型組織では、社員が自分で考え、意思決定し、行動することが重要です。
ところが、会議で社員が意見を出す前に、社長が先に「正解」を言ってしまうとどうなるでしょうか?
- 「社長がそう言うなら、それでいいか…」
- 「どうせ最終的には社長の決定になるんでしょ?」
こうして、社員の思考は止まり、次第に「言われたことだけやる」文化ができてしまいます。
ポイント:
社長は「問いを投げる人」に徹すること。
「君はどう思う?」と聞き、意見を引き出す姿勢が大切です。
2. 失敗を許さない文化をつくってしまうこと
自律的に動くには、社員が自分で考えて挑戦する必要があります。
しかし、挑戦には必ずリスクが伴います。
もし、少しのミスで社長が強く叱責したり、評価を下げたりすれば、社員はこう考えます。
- 「失敗したら怒られるから、やらない方がいい」
- 「新しいことは社長に確認してからじゃないと危ない」
結果、社員はリスクを取らず、現状維持に走るようになります。
これでは、自律型組織どころか「指示待ち型組織」が加速してしまいます。
ポイント:
「失敗を咎めない」ではなく、「失敗から学ぶ文化」をつくること。
社員が挑戦した結果の失敗は、次につながる資産です。
3. 「ビジョン」を共有しないこと
自律型組織には、共通の目的地が欠かせません。
社員が主体的に動くためには、「何のためにその仕事をするのか」という ビジョンの共有 が必要です。
ビジョンが不明確だと、社員は次のように感じてしまいます。
- 「結局、社長がやりたいことがわからない」
- 「自分の判断で動いていいのか不安」
この状態では、せっかく自律を求めても、方向性がバラバラになり、混乱を生むだけです。
ポイント:
「こうありたい」という未来像を具体的に伝えること。
その上で、「このゴールに向かうために、どう動くかは皆で考えよう」という姿勢が大切です。
まとめ:社長は“手放す勇気”を持つ
自律型組織をつくりたいなら、まず社長が 「すべてを自分で決める」習慣を手放すこと が第一歩です。
- 答えを出さず、問いを投げる
- 失敗を責めず、学びを引き出す
- ビジョンを共有し、目的地を示す
この3つを意識するだけで、社員が自ら考え、動き、成長する文化が少しずつ育っていきます。
自律型組織は、仕組みよりも「関わり方の変革」から始まります。
社長が変わることで、組織は自然と変わっていくのです。

