先日、岐阜県の池田町にある共栄化成株式会社様で、ある会議のファシリテーターを務めました。
その会議は、同社の工場・作業場での累積した問題の解決のために初めて開かれた「問題解決会議」でした。
結論を先に言うと、現場の社員たち自ら解決策を考え、全員が積極的に意見を出し、1時間半の中で8つの対策を決めることができました。
同社は社員数35人のプラスチック成形を専門とする製造業企業です。
創業50年余り。
「社員ファースト」を経営理念に掲げ、社員定着率を向上させ、次々と工場を増築して発展しています。
そうして、仕事が忙しくなる一方で、敷地が手狭になり、製品であちこちの通路が塞がれてしまう等の問題が生じるようになりました。
わかってはいるものの、中々話し合う時間が取れない。
あまり話し合って来ていないので、意見をまとめる方法がわからない。
でも、もう限界に来ている。
ということで、社長の安藤篤志様よりご依頼をいただきました。
ちなみに、安藤社長と私は、同じ岐阜県中小企業家同友会の会員。
私のことをご存知で、社員の自主性を引き出し、社員の声を生かしていくことの大切さに共感されていたので、私に依頼してくれました。
さて、今回は、このようなステップを辿りました。
⒈ 現場責任者3人との打ち合わせ〜問題点等のヒアリング、今後の進め方の決定
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⒉ アンケート実施〜社員に、現場で問題と感じることを質問紙に記入してもらう。
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⒊ 課題の絞り込み〜抽出された様々な問題の中での最優先事項の決定
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⒋ 会議(第1回)の実施〜最優先事項をテーマにして第1回問題解決会議の実施
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⒌ 対策の着手~決定した対策の担当者・着手時期を決め、順次実行
会議では、「あれもこれも」で時間切れにならないよう、あらかじめ、テーマを「製品が通路を塞ぐ問題」に絞り、目標を「その対策の決定」に設定しました。
そして、会議のルールとして、
を共有して始めました。
まず、問題を提起してくれた社員に状況を説明してもらった後、12人の参加者を4人ずつのグループに分けて、現場ごとの解決策を自由に話し合ってもらいました。
そこで出た意見を全体で共有し、付箋に書いて貼り出します。
そして、「どれが有効そうか?」「他の問題は起きないか?どうするか?」「お金をかけずにできるか?」等の視点で選んでいきました。
最初は、意見を言うのは責任者が中心になるのかなと思っていましたが、そんなことはなく、ほぼ全員が意見を出し、「そうされると困る」等、いい意味での反論も出て、ついには現場を実際に見ながら活発な意見交換が行われました。
8つの対策の中には、「その手があったか」というようなアイディアもあり、やはり意見を交え、みんなで考えていく中で「3人寄れば文殊の知恵」は起きるのだなと、私自身、学ぶことができました。
会議に参加した皆さんからは、以下のようなご好評をいただきました。
工場長
宗宮 智 様
「今までは一方的に意見を言うだけでしたが、小グループに分かれての意見交換で色々思っている事があるんだと思いました。テーマ一つを議題に上げてみんなで取り組んで、会社のまとまりにもつながると思います。」
生産管理部
後藤 孝司 様
「今後の会議を行うにあたり、参考になりました。皆に意見を出してもらったりできた所等が良かったと思います。」
専務取締役
富田 竜次 様
「会議の進行の方法が良く分かりました。…全体に目配りをして、全員の意見を聞こうとする方法を自分も取り入れたいです。」
会議、ミーティングは社員全員の力を引き出し、チームとして結束していくための大事な機会であり、組織の「要」とも言うべき場です。
会議を活性化し、社員主体の組織にしたいとお考えの経営者や管理職の皆様、どうぞお気軽にご相談ください。