「若手が定着しない」と嘆く経営者や管理職によくお会いします。
私自身が直接関わった企業でも、部長が面倒をよく見ていた新入社員や、社長が期待していた3、4年目の社員、溶け込んでいると思われていた2年目社員等が突然辞めました。
「体調不良で…」
「家庭の事情で…」
会社にはそれぞれ理由を伝えていますが、もちろんそれらは表向きのものでしょう。
「本音」はなかなか言えないので、本当の理由を把握することは難しいです。
こういう状況に対して、「今時の若者はすぐ辞める」と仰る声があります。
が、それは本当でしょうか?
実は、「3年以内離職率」の推移を見ると、上昇はしておらず、逆に「微減」しています。
厚生労働省
「新規学卒者の離職状況」より
学歴別就職後3年以内離職率の推移
ということは、必ずしも、「今の時代だから、今の若者だから」増えているとは言えないわけです。
では、今、若手が辞める理由は何なのか?
と言うと、様々なデータと私自身の経験から言えることは、「今の若者の価値観と従来の企業の組織風土のミスマッチ」が大きいと感じています。
若手が大事に考えるニーズに、企業側が気づかず、それを満たしてあげられていない。
若手は不満に感じていても、それを口にしづらいので、「限界」に達した時、(企業側からすると)突然退職を申し出ることになります(もしくは、退職代行を利用)。
例えば、その一つが、「仕事の指示の仕方」です。
上司や社長が、次々と指示を打ち出す、いわゆる「無茶振り」です。
1、2年目の人に仕事を、計画性なしに次々とやらせる。
もちろん仕事を与えること自体に問題はありません。
が、社長や上司の思いつきで、「こういうこともやってみたら」や「これもお願い」と指示を増やし、仕事の責任と量をただ増やしていくこと。
しかも、ろくに結果を検証したり、本人にフォローやフィードバックもしない。
これがいけません。
結局、若手は一人で抱えてしまい、「誰にも相談できない」と、ストレスと絶望感を高じてしまうことになります。(疑問に思っても、立場上それはなかなか言えません)
上の立場の人は色々なことを思いつくでしょうが、それを思いつくままに伝えていいわけではありません。
伝える時は仕事量とタイミングを考える。
それは本当にやる必要があるか?等の若手からの意見も聞く。
話したければ、とりあえず話す相手を若手ではなく別の人にする。
等の対処をしましょう。
そうでないと、若手には「やらされ感」が募り、モチベーションの大事な要素=自律性を奪っていきます。
悪気はなくても、無自覚にやってしまっている上役も多いのではと思います。是非気をつけていただきたいことです。
退職理由のアンケート調査には「人間関係」が挙げられることがよくありますが、必ずしも仲は悪くなくコミュニケーションは取れていても、やはり上下関係から若手にとっては「仕事上やりづらい」ことも、人間関係の中に含まれている可能性があります。
そんな、社長や上司が気づきにくい「離職防止のポイント」を、セミナーで学んでいただくことができます。
若手の定着に関心がある皆様、是非ご参加ください。
若手社員が定着する組織づくりセミナー
日時:9月11日(木)14:00〜16:00
会場:神戸市産業振興センター 会議室906
お申し込みは下記チラシ画像のリンクから。


