人をやる気にさせる言葉のかけかた

組織づくりと人材育成のことなら、実績あるファシリテーターにお任せを。自走型組織、自律型組織への組織変革、組織開発、チームビルディング、リーダー育成、社員教育、会議・ミーティングの活性化をプロのファシリテーションの技術で実現します。心理的安全性を向上させ、社員の主体性とやる気を引き出し、持続的に発展する強い組織づくりを伴走支援します。神戸を拠点に関西、東海、岐阜県、全国で対面・オンラインでの研修に対応しています。

社員や部下が思うように動いてくれない…

とお嘆きの経営者、管理職の方は多いのではないでしょうか?

そんな時、どんな言葉がけをしていますか?

どんな言葉をかけていいか、難しいとお感じではありませんか?

会議でもそうですが、良い成果を出そうと思ったら、事務的に進めるのではなく、人をやる気にさせる言葉がけが必要です。

その一つに、「PEP TALK」という話術があります。

代表例は、スポーツチームの監督やコーチが選手たちを奮い立たせる時の言葉がけです。

中でも有名なPEP TALKに、アメリカンフットボールの指導者として知られた古橋由一郎監督の言葉があります。

男にはな、人生をかけて戦わなあかん時がある。相手がどんなに強い、相手のほうが絶対に有利だと言われててもな、立ち向かって行かないかん時がある。

松下電工が強い、有利だというのは、マスコミが言ってるだけやろ。フットボールの内容、チームワーク、どれを取ってもわれわれのほうが上や! それぐらいの力はお前ら1人ひとりが持っとる。お前らならできる、お前らならできるんや!

やろう! このチームで最後の最後まで頑張って、力を出し尽くして今日は勝つ!

さあ、勝つぞ! 123GO

2009年、学生日本一と社会人日本一が雌雄を決する「ライスボウル」の試合直前のロッカールームで、学生日本一の立命館パンサーズの古橋監督がこの言葉を語りかけ、選手たちは試合開始早々から好プレーを連発し、圧倒的不利との下馬評を覆して見事勝利を納めたのでした。

このPEP TALKの秘密はどこにあるのでしょう?

実は、ただ「熱い」語りをすればいいというものではありません。

何を、どんな順序で言うべきか、論理的な道筋があるのです。

①受容→②承認→③行動→④激励 という流れです。

会社で部下を励ます場面に置き換えると、こんな感じです。

①受容:相手の今の気持ちや状況を受け止める
 「営業が思うように行ってなくて、ちょっとつらいんだよね」

②承認:プラスの見方に転換する
 「でも、それは真面目にやってるからこそだよね。粘り強くやれるのが、あなたのいいところでもある」

③行動:取ってほしい前向きな行動に目を向けさせる
 「その粘り強さを生かして、お客さんの困りごとをしっかり聞いてきたらどうかな」

④激励:背中を押す励ましの言葉
 「君なら、やれるよ。今できることに目を向けて、コツコツやろう!」

大事なポイントは「受容」から入ることです。

「共感」と言い換えてもいいですが、相手の今の感情や置かれた状況を否定せず、そのまま「〜だよね」と一緒に受け止めること。

そこから、プラスに目を向けさせ、具体的な行動を示し、背中を押すという流れです。

よくやってしまいがちなのが、「受容」がなく、いきなり「頑張ろう!」と行動を求めたり、「絶対達成しよう」といきなり結果を求めること。

言ってる側は励ましてるつもりでしょうが、相手目線にはなっていないので、相手にとっては「やる気」にはなれない言葉がけになってしまいます。

テクニックだけではなく、根底には、結果だけを求めず、相手の気持ちに寄り添って、相手を信頼し、支援しようという気持ちが必要です。

人を生かすかどうか、言葉の力は大きいです。

PEP TALK、ぜひ試してみてください。

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この記事を書いた人

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井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員/ファシリテーター・人材育成コンサルタント。一人一人が主体的に動いて協力する「共創型組織」づくりの対話支援と研修を行っています。東京大学文学部卒。NHKディレクター、JICA、コンサルティング会社等を経て創業。神戸市在住。