若手が辞めずにやる気になる教え方とは?

最近、とても残念なことがありました。

お付き合いのある会社で、新入社員が立て続けに辞めたり、精神的不調から休職したりしたのです。

退職した人たちは私が入社時に研修をした人たちだったこともあってショックでした。

休職した人の方は面識はなかったですが、とても優秀でやる気があると聞いていたので、
なぜそうなってしまったのか?と、驚きました。

事情を聞いてみると、どうやら共通した問題がありました。

それは「先輩の接し方・教え方が悪かった」ということです。

「見て学べ」と丁寧に教えなかったり、
「これがダメ、あれがダメ」と、できていないことばかり指摘する指導方法だったそうです。

もちろん、これでは、学ぶ方は早く覚えられず、やる気も削がれてしまいます。

<仕事の教え方>

仕事の教え方」を学んだことがありますか?どこかで教わったことがあるでしょうか?

日本の多くの企業、組織では「教え方」を教えてはいないのではないでしょうか?

私がこれまで働いた組織でもそうでした。
ほぼ「見て学べ」で、教育の方針・仕組み・技術というものは皆無に等しかったです。

昔はそれでも何とかなったかもしれませんが、
変化・競争が激しく、かつ人手不足で若者が辞めやすくなった現代ではそうはいきません。

相手が早く仕事を覚え、教える人に信頼を寄せ、やる気を持って働いてくれる。
そんな風に関わり、教えないといけません。

ですので、新入社員教育も大事ですが、
指導者教育の方がより重要で急務だと私は思っています。

では、そんな教え方とは?

一番大事なポイントは、「加点法」で教えることです。

できないこと、足りない点ばかりを指摘するのが「減点法」。

それに対して、加点法は、できていることや心がけをまず認め、褒め、
「あとはこことここができればもっとよくなる」と、
常にプラス思考の言い方をするのです。

これは単に「言い方」の問題ではなく、
人を公平な目で見る」という姿勢の問題でもあります。

わざとミスをしたり、できないでいようとする人がいるでしょうか?
誰もが、その人の能力や知識の範囲で常にベストを尽くしています。

そういう風に人間を見れば、すぐにできないからと言って怒る理由はありません。

指導する際によく怒ってしまう人がいますが、
それは自分の期待や都合を無意識に優先するあまり、
相手がどんな状態かが見えなくなってしまっているのです。

相手をよく見て、できていること、現にやっていることをまず探して褒める。
(たとえ、それが最初は少なくても)

その後で、「ここをこうすればもっとよくなる」と、足し算の発想
「やるといいこと」を具体的に伝える。

そうした「加点法」が、教え方の基本であり、極意だと思います。

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この記事を書いた人

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。