「馬が水を飲みたくなる」には?〜二つの問いかけ

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「馬を水飲み場へ連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない。」

という格言を、昨日のブログで紹介しました。

馬が、喉が渇いていなければ、水を飲みたいと思っていなければ、無理やり水を飲ませることはできない。

同様に、人に何かをさせようとしても、相手がその気にならなければ自分からはやってくれない。

という意味ですね。

経営者であれば、社員に自発的に学んでほしい、動いてほしい、と思ったら、

「その気」になるきっかけを与えないといけない。

「答え」を押しつけるのではなく、「気づき」を促すことが大事。

と言うのは簡単ですが、どうしたら「気づき」を促せるのでしょうか?

悩む方も多いと思います。

その一つの有力な方法は、「問い」を投げかけることです。

問いかけ」は、ファシリテーションの中での主要なスキルです。

では、どんな問いが、「水を飲みたく」させるのか?

ネガティブとポジティブ二通りあります。

その二つを使い分けするといいです。

ネガティブは、「健全な危機感」を与える問い

「現状をどう思う?」

「どれぐらい満足している?」

「このままだと、どうなる?」

といった問い。現実にちゃんと目を向けさせる問いです。

テーマは、仕事の成果、チームの状態、経営状態、個人の人生、何でも共通です。

あまり脅しすぎることは、「操作されている」という感じを与えるのでお勧めしませんが、「このままではまずい。理想的ではない」という危機感を持つことは、変化・成長のきっかけとして必要なことでもあります。

もう一つのポジティブな問いは、逆に、「理想を描かせる」問いです。

「このチームがどうなるといい?」

「あなたは、どうなりたい?」

「本当に満足な仕事、働き方とは?」

と言った問いです。

(細かい表現の仕方はそれぞれ工夫していただければ結構です)

では、どう使い分ければいいのか?と言うと、

もし、その相手やチームのモチベーションが、±ゼロを基準にして、「マイナス」側にある感じの時は、ネガティブ→ポジティブの順に。

最初から「プラス」側にいる感じの時は、「ポジティブ」のみでいいと思います。

マイナス側にいる人たちに対して、なぜネガティブな問いから始めた方がいいかと言うと、「理想を描く」ことには、少々勇気(=心の体力)がいるからです。いきなり向けても、「そう言われても…」という拒否反応を示されることがよくあります。

そういう人たちは周りへの不平不満を言いがちで、現状を直視することも、理想を描くことも避けています。

まずは、不平不満を吐き出してもらうことから始まってもいいので、

次に、現状を見直す「健全な危機感を与える」問い、

最後に、「理想を描かせる」問いを投げかけるといいです。

納得がいきましたら、ぜひトライしてみて下さい。

今日も充実した一日を!

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この記事を書いた人

井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員。ファシリテーター・人材育成コンサルタント。東京大学文学部卒。NHKディレクター、国際協力NGO・JICA、コンサルティング会社等を経て創業。ファシリテーションスキルと元マスコミならではのわかりやすい説明力で、組織や地域における「対話」の支援とファシリテーションや支援型リーダー育成研修等の人材育成を行っています。