会議が「資料の朗読会」になってしまうもう一つの理由


前回のブログで、「資料の朗読会」になってしまう会議への対処法として、
流れのフォーマットや資料のフォーマットという「仕組み」を整えることをお勧めしました。


一方で、私が聞いた話では、実は、そうなってしまう理由がもう一つありました。


こちらの方が厄介なのですが、それは…「上司が怖いから」でした(笑)。


報告する問題に対して、「なんで、そうなってんの?」「それで、どうするの?」等と
厳しく突っ込まれるからだそうです。


それを避けるために、ついつい説明だけで終わらせようとしてしまうと。


(解決法がわからないから困っているのに…)というのが心の声で、
本当は参加者から意見を聞きたいけど、意見を出してくれないというのです。


さぁ、どうしましょう?


ま、上司にしてみれば、
「問題を報告するだけではなく、解決策も考えて来て欲しい」と思っているかもしれません。


それはそれでもっともだと、上司の立場に立てば私も思います。


報告する側も、「こう考えますが、皆さんどう思いますか?」とか、
「ここまでは考えたんですが、これ以上はどうしたらいいかわかりません」という
努力の跡がわかる言い方をした方がいいかとは思います。


その上で、「資料の朗読会」にならず、
参加者から意見が出るようにするにはどうしたらいいでしょう?


まずは、「会議をどう進めたらいいか」の前提を共有したいですね。


一つには、「ルール」、または「約束事」として、最初に3箇条ぐらいを伝える。


例えば、
⒈ どんな意見でも、まずは受け止め合いましょう
⒉ 一人一回は発言しましょう
⒊ みんなで協力して、ベストな答えを見つけましょう


等です。
表現はともかく、こういう趣旨のことを、明るい表情と声、前向きな雰囲気で伝える。


その上で、それでも意見や質問が出なければ、
「どう思いますか?一人ずつ、意見か質問をお願いできますか」と一巡で振る。
(ちょっと強制感ありますけど、発言することにみんなが慣れるまでは)


まずは、こうした工夫で、安心安全な雰囲気をつくりつつ、
発言の機会をつくることをしてみてください。


少しずつ、会議が変わっていくと思います。

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この記事を書いた人

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井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員/ファシリテーター・人材育成コンサルタント。一人一人が主体的に動いて協力する「共創型組織」づくりの対話支援と研修を行っています。東京大学文学部卒。NHKディレクター、JICA、コンサルティング会社等を経て創業。神戸市在住。