研修をしても組織が変わらない理由〜対話型組織開発というアプローチ〜

組織づくりと人材育成のことなら、実績あるファシリテーターにお任せを。自走型組織、自律型組織への組織変革、組織開発、チームビルディング、リーダー育成、社員教育、会議・ミーティングの活性化をプロのファシリテーションの技術で実現します。心理的安全性を向上させ、社員の主体性とやる気を引き出し、持続的に発展する強い組織づくりを伴走支援します。神戸を拠点に関西、東海、岐阜県、全国で対面・オンラインでの研修に対応しています。

組織の課題の根っこにあるもの

御社には、こんな課題がありませんか?

 早期離職者が多い…。

 社員の主体性が低い…。

 部門間の連携がよくない…。

こうした「人」にまつわる課題に対して、多くの企業は研修や人事制度の導入・改定に取り組みます。

しかし、研修をやっても結局社員が変わらなかった。

評価制度を導入したら、抵抗されて運用がうまくいかなかった。

そうした事が多いのではないでしょうか。

私自身、そうした話を直接・間接に見聞きしてきました。

例えば、主体性が低いと問題視された新入社員に話を聞いてみると、実は、先輩たちからのコミュニケーションはなく、教育体制も整っていなかった。

「やる気が低い」という営業部に研修をしても、実は誰も会社を信頼しておらず、「頑張っても報われない」と諦めているため、結局、研修の効果は出なかった。

こうした課題は、とかく、問題とされた本人たちの「意識」に原因が求められがちです。

しかし、その意識は、どのようにして生まれてきたのでしょうか?

意識の背景にあるのは、「組織風土」、すなわち「組織の関係性」です。

「トップダウン」の風土なら、社員は「指示待ち」になる。

信頼関係がなければ、社員は頑張ろうとはしない。

本当の根っこにあるのは、個人の意識ではなく、それを形成している「組織風土」なのです。

研修や人事制度が無駄というわけではありません。

それらが効果を発揮するのは、あくまで組織風土が整っている場合であり、先に組織風土を良くすることが必要だということです。

お互いへの「信頼感」と「協働意識」が育っていない関係では、あらゆる上からの施策は「やらされ感」を与えてしまうだけになりがちだからです。

また、研修は、対象が特定の層になることが多いのですが、その上役や周囲が変わらないままでは、結局効果は限定的・一時的になることがよくあります(対象者にばかり負荷がかかり、変化は困難です)。

組織開発は、組織における課題を「技術的課題」と「関係性課題」に切り分け、土台となる関係性課題に着目して、組織全体で変えていこうとするアプローチです。

例えて言うと、症状が出ている部分だけを治療しようとするのではなく、体質そのものを整える漢方的なアプローチです。

組織開発の鍵は「対話」

では、具体的に何をするのか?

と言うと、その鍵になるのは「対話」です。

「対話」は漠然とした言葉であり、実は明確な定義がありません。

弊社ひとのわでは、「対話」を「本心の共有」と考えています。

「本心」とは、文字通り、「本当は心の中で思っていること」です。

例えば、

 「仕事で困っていることは何か?」

 「部下にはどう動いてほしいか?」

 「上司・先輩にはどう関わってほしいか?」

 「部門間が連携するには?」

 「会社がどうなると嬉しいか?」

普段は出す機会がないが、問われれば出てくる「大切な思い」です。

敢えて「本音」と言わないのは理由があり、一般に本音は愚痴や不満や妬み等、

ネガティブな気持ちを暗に含むことが多いと思うからです。

それも出していいのですが、そこにとどまらず、

「そう思うのは何が大切だからか?」

「では、どうなるといいのか?」

というレベルに降りていく必要があります。

それが、弊社の言う「本心」です。

それをお互いが聴き合う時、「そうだったのか」という認知変容と、心のつながりが生まれます。

そうして、安心感と信頼感の高い関係性が築かれていきます。

それを土台に、行動指針等を固めることで、変化が定着していきます。

目標も自分ごとになります。

対話は単なる「会話」でも、「議論」でもありません。

会話は、世間話やお互いの近況等を知り合う情報交換や業務上のやり取り等、あくまで表面的なやり取りです。それはそれで関係維持と業務遂行には必要であり、意味がありますが、関係性を深めることにはつながりません。

一方、議論は「正しい結論」を導き出すための情報と思考のやり取りです。もちろん、これも意思決定には不可欠なことですが、やはり関係性を築くためのコミュニケーションではありません。

対話は、会話と議論では見えていない一人一人の心の内にあるもの(本心)を開く行為です。

一段深いコミュニケーションと言えるでしょう。

それがお互いを理解し、同じ方向性を向く関係性を築いてくれます。

組織で働く時、「何を考えているのかよくわからない」人たちと、安心・信頼して働くことができるでしょうか?

対話はいつもいつもできるわけではなく、その必要もないでしょうが、時折、必要な場面で行うことで、関係性という組織の土台を築くことができます。

組織の成功循環

先ほどまでの話は、弊社が勝手に唱えているわけではなく、「対話型組織開発」という分野があり、対話を通した組織変革の様々な事例や研究が蓄積されています。(日本ではまだ歴史は短いですが)

そのベースになっている考え方の一つに、「組織の成功循環」というモデルがあります。

組織づくりと人材育成のことなら、実績あるファシリテーターにお任せを。自走型組織、自律型組織への組織変革、組織開発、チームビルディング、リーダー育成、社員教育、会議・ミーティングの活性化をプロのファシリテーションの技術で実現します。心理的安全性を向上させ、社員の主体性とやる気を引き出し、持続的に発展する強い組織づくりを伴走支援します。神戸を拠点に関西、東海、岐阜県、全国で対面・オンラインでの研修に対応しています。

組織の成功は、

 関係の質⇨思考の質⇨行動の質⇨成果の質

というステップで生まれるという理論です。

話しやすい関係だから、解決策を出しやすく、解決策を出しやすいから行動しやすく、行動しやすいから成果も出やすい、成果が出ればさらに関係も良くなる。

という好循環を単純な図式にしたモデルです。

言われてみれば当たり前に見えるかもしれませんが、実際にはどうでしょう?

我々はすぐ「行動」を求め、「成果」を求めませんか?

でも、行動するにもその中身が的確でないといけません。

行動の中身が的確であるには、意見交換が必要です。

意見交換ができるには、率直に話し合える関係が必要です。

と説かれると、関係の質が、まず最初に組織において決定的に大事だということが実感いただけるのではないでしょうか。

弊社独自の「TRUSTモデル」

弊社では、一般的な対話型組織開発の方法論をベースにしつつ、これまでの現場経験で培われた知見を活かし、「TRUSTモデル」という組織風土変革プログラムをご提唱しています。

TRUSTは、文字通り「信頼」です。

信頼関係こそが組織において決定的に重要という認識から生まれたプログラムです。

一人一人が主体的に動き、認め合い、助け合い、一人ではできないことを実現していく。

そのような組織の姿を一つの理想として、そう変化していくことを、あくまで当事者主体で、弊社は伴走支援していくプログラムです。

それぞれの頭文字は、そのままプログラムのステップを表しています。

T Truth      組織の真実(現状)をサーベイによってありのまま見る

R Relationship    対話を通して信頼関係を醸成していく

U Understanding  組織の方向性・各自の役割・仕事の意義等の共通理解を持つ

S Structure    動きやすい仕組みを整える

T Try & Learn   小さな一歩を踏み出し、学びを得る(成功体験)

この5段階を通して、経営者から現場の社員まで、上下・左右の垣根を越えた対話を行なっていき、

信頼関係で結ばれた強い組織に成長していくのです。

心理的安全性と信頼関係の違い

少し専門的な話になるかもしれませんが、弊社がなぜ信頼関係に重きを置くかをご説明することで、「関係性」というものの理解を深めていただけるかと思います。

最近、「心理的安全性」という言葉が認知されるようになりました。

これは質問がしやすかったり、意見が言いやすかったり、ミスをしても責められないという「雰囲気」を指し、いわゆる「風通しがいい」状態を表しています。

Google社が自社で行なった「プロジェクト・アリストテレス」という調査研究事業が、成果の高いチームの要因の第1位として明らかにしたのが「心理的安全性」でした。

これはもちろん、必要です。

特に、立場の下位にある人たちにとっては。

ただし、組織に「安心していられる」ことと、そこで「自ら頑張ろう」という意欲を持つことはまた別のことです。

人が頑張ろうと思うには、「頑張れば報われる」という「約束」が必要です。

・頑張れば、認めてもらえる。

・頑張れば、それに見合った地位が得られる。

・頑張れば、それに見合った報酬が得られる。

そう思えている時、その人は「組織を信頼している」と言えます。

これが、弊社の言う「組織信頼感」です。

これは、組織が社員に「返す」という約束を守ることがなければ生まれません。

心理的安全性は、「意見を言っていいよ」という「許可」の問題です。

組織信頼感は、「意見を言えば、反映してもらえる(少なくとも、真剣に考慮してもらえる)」という「約束」の問題です。

人は、いくら意見を言っていいと言われても、それが反映されないのであれば、「言う意味がない」と感じて言わなくなります。

仕事全般についても同じで、頑張っても報われない、意味がないと感じた時、人は主体的に考えることをやめます。

こと、「主体性」の問題は安心感以上に、この信頼感が大きく影響していると、弊社ではこれまでの現場経験から確信に近い手応えを持って捉えています。

両者は「安心・信頼」というようにひとまとめにされることが多いのですが、心理的安全性の研究の第一人者であるエイミー・C・エドモンドソン教授も、心理的安全性と信頼感は別のものとして説明しています。

そして、両者はどちらも大切ですが、弊社では、敢えて優先順位をつけるとすれば、「信頼感」の方が組織運営には大事であると考えています。

信頼感なくして、心理的安全性だけがあっても、社員にとっては意味がありません。

信頼感があって初めて、心理的安全性が意味を持つのです。

初の不良品ゼロ ー 弊社の支援事例から

実際にこんなことが起きました。

弊社がご支援した東海地方のある製造業の会社では、長年、工場での不良品の発生と、その背景にある、課題解決に向けた社員の主体性の低さが課題となっていました。

そこへ、弊社が部門横断的な6ヶ月間の対話プロセスをご支援。

すると、各部門のリーダーが対話に慣れ、自分の役割について内省するようになりました。

そして、特に問題となっていた工場のリーダーがスタッフと対話を重ねるようになり、全員で不良品の解決策を自発的に話し合うようになりました。

様々な案を実行した結果、なんと、工場で初めて不良品ゼロを達成。

社長からも表彰され、会社全体に前向きなムードをもたらしました。

大事なことには時間がかかる

人は問題解決に、ともすれば手っ取り早い対策を求めます。

それで済む場合はいいのですが、大勢の人々が多様な考えを抱えて共存する「組織」全体の問題を解決するには、小手先の対策では解決せず、却って改善が長引いてしまいます。

対話型組織開発は通常最低でも6ヶ月から、1年、2年と、組織の規模と状況にもよりますが、時間がかかる取り組みではあります。

ただし、それだけに、組織の体質を変え、一時しのぎではない変化を生む手法です。

その大きな要因は、外部の講師やコンサルタントに教わるのではなく、当事者である社員自らが考え、対話し、解決策を決めていくという「当事者主体」の原則にあります。

人は、人から言われるよりも、自分で考えて決めたい生き物です。

そして、自分で決めたことなら、実行するものです。

社員の主体的な行動を引き出すには、安心と信頼を与えて任せ、自律性を育むことが不可欠です。

TRUSTの対話プロセスは、それそのものが、そこに参加する社員の皆さんの自律性・主体性と協力精神を大切にし、それらを引き出す過程でもあります。

変革の出発点はー

組織は、大きくなればなるほど、時間が経てば経つほど、どこかに「カベ」や「澱み」ができたりするものです。

だからこそ、時に風通しを良くし、空気を入れ替え、視点を変え、「本心」に立ち返って未来を描く必要があると思います。

あなたは、自分の組織が、本当はどうなってほしいと思っていますか?

その素直な願いが、変革の出発点かもしれません。

よろしければ、その願いを、ぜひ一度お聞かせください。

弊社の組織開発支援にご興味がありましたら、問い合わせフォームからお気軽にお声がけいただければ幸いです。

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一人一人が主体的に働き、認め合い、助け合って、一人では生み出せない価値を創造する。

そんな組織が世の中に増えることを願い、ご支援を続けて参りたいと考えております。

これからも、ご関心、応援をいただければ嬉しいです。

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この記事を書いた人

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井坂 泰成

合同会社ひとのわ代表社員/組織開発ファシリテーター。一人一人が主体的に動いて協力する「自走型型組織」づくりの対話支援と人材育成を行っています。東京大学文学部卒。NHKディレクター、JICA、コンサルティング会社等を経て創業。神戸市在住。